ふるさと味めぐり

素材編
茄子の収穫量 日本一を誇る高知県安芸市
茄子

高知県は茄子の収穫量が全国1位で、その中でも安芸市には450軒の農家があり、県内で1位の収穫量を誇る地域です。安芸市の茄子は8月末から9月上旬に苗を植えてから1ヶ月ほどで収穫ができるようになるため、9月~6月と長い期間収穫ができます。特に3月~6月は収穫量が多い時期だそうです。
茄子はどんな料理とも相性がよく、地元では薬味をたっぷり乗せた「茄子のたたき」や、人参や大根などと煮た味噌味の「茄子煮」、生茄子や蒸茄子を使用した「茄子のサラダ」など、様々な食べ方で親しまれています。

Point
ポイント

茄子ならではの栄養素
茄子は人参や玉ねぎなどの他の野菜に比べて、1000倍以上のコリンエステルという栄養素が含まれているそうで、血圧の改善やリラックス効果があることが明らかになっています。また、茄子の皮には、ポリフェノールの1種である「ナスニン」という色素成分が含まれており、生活習慣病や眼精疲労の予防にも効果があるといわれています。
茄子は良品、B品、ハネに分けながら収穫しています。茄子に線が入っているものやお尻の部分の色が変わっているもの、大きすぎるものは「B品」として扱われ、市場へ出荷されています。傷があるもの、規格に足りていないものは「ハネ」として扱われ、農家さんによっては大きな袋に入れて1袋数十円で出荷されているそうです。
農業を通して生きがいを創出
高知県安芸市にある「こうち絆ファーム」さんでは、農業分野で障がい者等の就労支援や生きがいづくりの場を生み出す「農福連携」の取り組みを実施しており、20代~60代の46名の方を雇用されています。中には安芸市外から来ている方も10名いらっしゃるそうです。
令和2年4月に事業所を立ち上げ、9月から茄子の栽培を開始しましたが、当時は利用者さんだけではなく職員も茄子の栽培が初めての方が多く、作業を覚えること、それを利用者さんに伝えることが大変だったそうです。現在では年間収穫量はおよそ80トンで、収穫量が多い時期は朝6時頃から作業をされています。その日に収穫した茄子だけではなく、20軒以上ある契約農家から袋詰めの依頼を受けているそうです。
Mサイズが75gで5本入り、Lサイズが90g以上で3本入りと決まっているそうで、その大きさに合わせて袋詰めを行っています。収穫する際も、毎朝基準になる茄子の重さを測って、「これより小さい茄子は採らない」などと決めているそうです。
利用者さんは自分で働き方を選ぶことができ、午前中から1日通している方もいれば、午後から来る方、週1日だけの方もいるそうで、茄子の生産や袋詰めなどを体験してもらい、自分がやりたいところで働いていただいているそうです。居場所を求めている方や働きたい方のスタート地点になりたいと考えているそうで、実際に卒業されて一般就労された方も6名いらっしゃいます。
こうち絆ファームの安岡さんは「今後もステップアップの最初の場所として何かを感じたり、きっかけづくりになったりするような場所であり続けたい」とおっしゃっていました。